8月の最後の週から、アトリエが再開。(これは7月分の振替です)
夏休みを挟んで、それぞれの子の成長が、創作の様子や作品から伝わってきます。
今日のTくんは、学校行事と夏休みとで、2ヶ月ぶりのアトリエ。
とても楽しみにしてきてくれました。
いつものように、大好きな電車の種別、系列、駅名とを
スケッチブックに書き始めます。
春頃から、コミュニケーション力が特に伸びてきて、
会話のやり取りも より豊かになってきた様子が、
色の増加や実験的な創作が増えてきたことからも伝わってきます。
いろいろ画材を組み合わせて、お試ししている感じで、
その様子が、日常生活の中で
人との関わりを通して、<自分>を確認し、育てているようです。
成長が感じられてよかったなぁと思っていた6月、
アトリエで、ちょっとしたハプニング!
ホットボンドを水につけようとしたり、
作品を乾かすようにアトリエに準備しているドライヤーで
触れられないくらい 床を熱く暖めてしまうなどの、
一見すると 困った行動をたくさんして、
何回も「怒る?」と確認してくるのです。
その時の私の対応が、彼の想定外のリアクションだったらしく、
それがとても楽しいと感じたTくん。
以前のTくんだったら、私の声掛け、投げかけに
固まってしまったり、スルーしたり、黙りこんだりして
あまり返してくれなかったのですが、
今回は、さらなるリアクションを引き出すべく、
次から次へと 一見困ったような行動をして
「怒る?」と訊いてくるのです。
そのあたりから、お家の方にも
お試し行動をするようになったお話を 今日伺いました。
年齢的な面から見れば 一種の「反抗期」に入ったということでもあるでしょう。
それは、成長した 今の自分の視点から、さまざまな価値観を
再確認、再構築している作業でもあるかもしれません。
また、人によってリアクションが違うという大発見をしたり、
想定外のリアクションがあっても、それを「おもしろい!」と感じるためには、
「自分自身」がしっかり育っていないと なかなかできないこと。
自己肯定感も着々と育っているように思います。
また、「違い」は、その人の個性でもあり、それを楽しめるのは、
Tくん自身の個性を大事に尊重されてきたから、
他者に対しても そう思えるのでしょう。
そして また素晴らしいなぁと思ったのは、
Tくんの最近の「一見困った行動」から
お母さまが 学び、
お母さま自身も人間として成長しようとされていること。
今日のアトリエも、お試し行動がありましたが、
「○○だと△△が困るから やめてほしい。」などと
どうしてそれはしてはいけないのか、
ひとつひとつ丁寧に 簡潔に伝えることを続けました。
(これは、私の学びです。子どもにもわかるような簡単な言葉で
説明するのは 本当に難しいです。)
すると、因果関係が掴めたようで、どんどん納得して行動が変化するのです。
スケッチブックには、
今まで、書くページも ランダムに開いたページに書いていたり、
駅名、バス停名の順番も まちまちでした。
それは日々の生活の様々な体験の中で
特に わからなかったこと、不思議だったことが消化されず、
整理されないまま滞っていて、
スケッチブックに まちまちにアウトプット(吐き出し)せずには
いられなかったのでしょう。
今日は、最初の1ページ目から使い始め、駅名も順番に書かれていました。
Tくんのなかで 因果関係が掴め一本筋が通って、明確になり、
すーっと通るような心地よさを感じていたのでしょう。
今日、お帰りの時、初めて まっすぐ私の目を見て、
「さよなら」のあいさつをしてくれました
「本当に信頼した人しか、(怖くて)目を見ることはできない。」と言っていた、
ある子どもの言葉を思い出します。
アトリエの良さは、
コミュニケーションがとれようがとれまいが、上手であってもなくても、
何かが出来ようができまいが、
「ここに居ていい」と 存在そのものを受け入れ合える場であること。
そのことの大切さを、
Tくんの成長から、またしみじみ感じさせていただき、
学ばせていただきました。
Tくん、お家の方々、ありがとうございます。
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