アトリエへつながる 2 書籍『さわってごらん ママは豊かな心に育てたいの』
『さわってごらん ―ママは豊かな心に育てたいの』スーザン・ストライカー著
今は絶版になってしまいましたが、十数年前、子どもを授かった時に出逢った本です。
スーザン・ストライカーさんは、美術関係のお仕事をされている方です。
0歳から3歳までの子どもとの「触感」を中心とした、赤ちゃんと親との付き合い方の本です。
当時の私は、赤ちゃんのことはもちろん、子育てのことも何も知りませんでした。大学で勉強した「乳幼児の発達」「発達心理学」くらいです。
赤ちゃんというのは「おむつを替えて、おっぱいをあげて、抱っこをしていれば、すやすやと穏やかに寝ているものだ」と、恥ずかしながら真剣にそう思っていたくらいですから、お勉強と実地は、私のなかでは全然結びついていませんでした
なので、本に書かれている、その関わり方が、当時の私には、とても斬新で、「そんなに自由でいいの?」とカルチャーショックを受けたものです。
特に、この「豊かな心」という言葉に魅了されました
久しぶりに、手にとって、ページをパラパラめくってみました。
すべての創作活動の始まりである「赤ちゃんの探検」の邪魔をしない、
教えるのではなく、楽しませる
子どもの興味の対象をよく知る
好奇心を満たし、自信を持たせる
子どもの自立に合わせて 部屋の配置、遊びなどの、つきあい方をアレンジしていく
などと あります。
実際 子育てが始まると、次から次へと直面する問題に、
瞬時に 自分で判断・決断していかなくてはいけなくなり、
その他いろいろなことで忙しくなり、
この本を ゆっくり開くことは、ほとんど なかったです…。
でも 大事なことは、ちゃんと私のなかに残っていたように思います。
そういえば、あやし甲斐の無い 娘でした。
どんなに あやしても 「なにやっているんだ?」というムッとしたような表情で、大きな目でじっと見られるだけ。(もちろん 赤ちゃんですので、”無言”です)
ある日、友人のジョークにゲラゲラお腹抱えて笑っていた時、ふと、娘の顔を見ると、私の顔をまっすぐに見つめながら、ニッコニコ!笑っているのです!!
ハッと 気づかされました。
「この人は、私がこころの底から気持ちが動いたことに、反応するんだ!!」
しかし!
それは、一番 苦手なことでした…
ああ だけど、チャンス!
娘を「豊かなこころ」に育てるとは、
自分も「豊かなこころ」であることなんだなぁ…。
それならば、自分も「豊かなこころ」を取り戻し育てよう、成長しよう! 娘の成長に学びながら、自分育てもしよう!!
どうしたらいいかは 全然わかりませんでしたが、ともかく 娘のこころが動くこと、楽しいこと、うれしいことは何かを 探すことから始めました。
しかし、、、
ひたすら ウェットティッシュの黄色とオレンジのケースを楽しそうに眺めている、
冷蔵庫の扉に向かって、うれしそうに ひたすらしゃべっている、、、など
当時の私には理解不能なことばかり。
それでも、「こんなことに こころ惹かれたり、動かされたりするのか?」と驚いたり、夢中になってしゃべっているアヒル口をかわいいと思ったり、おもしろいなぁと感心したり、そうだよね~と共感したり…と、私も、少しずつこころ動かされていることに気がつきました。
それで、命の危険が無い限り、そして世間様に私が「バカな親」「ダメな親」と思われる(かもしれない)くらいで済むのなら、続けてみようと思いました。
そのうち、理解不能な行動をしていても、
「私の理解を超えたところで、
彼女は、彼女の人生を
一生懸命、毎日生きているんだぁ」と思えてきました。
そうしたら、理解しようと つねに努力はするけれど、
だからといって、理解できなくても
気にならなくなることも増えてきました。
今 振り返ると、この「気にならなくなる」感覚は、娘の成長に対する「信頼感」で、それが少しずつ私のなかで育っていたのでないかと思います。
だけど、ある日「これで本当にいいのぉ~?」と不安にかられました。子育ては、正解がないと言われても、マークシート方式時代、マニュアル時代の人間は、やっぱり、揺れますよね~
そんな時に、出逢った本があります。
それは、また次に書くことにします。
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