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大きな樹

プロフィールに使っている写真は、白神山地にある「マザーツリー」です。

7,8年前家族旅行で行ったおり、夫が撮ってくれました。右下に小さく見える人影二つが、娘と私です。2枚の写真を合成しています。

私は、大きな樹が大好きで、このときもどうしてもブナの原生林の中に立つ、大きな樹が見たくて、家族と一緒に出かけました。広葉樹の葉の優しい光と白い幹と、そのなんとも言えない、立ち姿。「マザーツリー」だけの存在が引き立つのではなく、周りの小さないろんな種類の木々や植物たち、生きものと溶け合って、やさしくやさしく力強く、しなやかにしっかりと、大きなあなたと小さな私、、、あとは、言葉に出来ないような、静かな静かな何かに、圧倒され、ただただあなたの前で、立っているだけの私でした。
今も写真を見ると、そのときの感覚が淡く思い出されます。

玉川上水沿いにも、お気に入りの大きな樹がいます。大きな大きなどんぐりの樹で、遠くからいつも見守ってくれるようです。毎日そばを通るのがとても楽しみでした。代わり映えしない日も、そこにいてくれることがうれしかったし、紅葉で葉の色が変わったり、雨で幹の色が変わっていたりするのも、美しいと思いました。遠くから眺めてもその立ち姿は美しく、いろんな風雪があっただろうに、すっとしていて、何があっても、自分に正直に誠実に生きてきた人のようにも見えます。
以前住んでいた家の近くに、大きな公園があり、そこにも大きな樹がたくさんありました。なかでも一番のお気に入りは、桜の老木です。以前他の場所で、友人と一緒に桜の樹を見ていたとき「大地からのエネルギーをらせん状に吹き上げているかのような幹だ」と友人が言っていましたが、本当にそのとおりです。あのうすピンクの桜の花を咲かせるとは思えないほど、力強く、太く、ゴツゴツとした幹なのです。そんな表面的なゴツゴツさのなかに、本当の優しさを秘めているようで、やさしいってどういうことだろう、強いってどういうことだろう、と考えていたときに、よくそばにいって、眺めていた桜の老木です。

大きな樹を眺めていると、たいてい時間を忘れます。樹を通して、今の自分を振り返ると、うれしいことは樹を通して世界中に広がっていくようだし、おごっている自分がいれば、小さな自分をそっと教えてくれるし、大きく悩んでいたことが小さくなって乗り越えられそうな気持ちになって元気が湧いてきたり…いろんなことで助けられています。感謝。

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